◆開幕戦終了から予選まで

　2014スーパー耐久第2戦SUGOラウンドが、5月24日〜25日宮城県スポーツランドSUGOにて行われました。
　開幕戦もてぎラウンドでは、デビュー戦とは思えない堅実な走りで6位入賞を果たしたTCコルセ・ロードスター。しかし、クルマはまだまだ熟成途中で、その状態での6位入賞は今後の飛躍へ大きな期待ができるものでした。
　開幕戦で見えた問題はチーム一丸となって、望月エンジニアを中心に対策に取り組みました。ラップタイム的な面では86やS2000、DC5に劣るストレートスピードを得るべく、特認申請を行って東名パワード製カムシャフトを導入。トルクが上がり、立ち上がりの蹴り出しが強くなったことで加速性能が向上したことをドライバーからも確認できました。また、ロングラン時に不安のあった水温／油温に関しては、導風やシュラウドなどを改善させることにより、水温を下げ、同時に純正ヒートエクスチェンジャーの効果によって油温も下がったことが確認できました。

　高い速度でのコーナリングが要求され、ハンドリングに優れるロードスターとの相性は良いと予想したSUGO。練習走行からコーナリング性能の高さを活かして、好タイムを刻んでいきます。エンジンパワーは向上しましたが、86勢などに比べれば若干劣るのは事実でもあります。ですが、それを打ち消すハンドリングの良さを引き出すことができました。

　予選はA/B両ドライバーともアタック中に赤旗中断になってしまう不運もありましたが、Bドライバーの近藤翼選手1分35秒518をマーク。Aドライバーの加藤彰彬選手も1分35秒545を出し、A/Bドライバーの合算で競われる予選においてクラス18台中13位となりました。開幕戦もてぎの15位から2ポジションアップの結果となった。それでも、やはり一発のタイムではまだまだトップ勢には及ばないものがあります。しかし、決勝ではハンドリングのよさを活かして着実なラップタイムを刻む作戦を立てました。

◆決勝

　決勝レースは約3時間と今シーズンのスーパー耐久シリーズでは、比較的短いレースディスタンスになります。スタートドライバーはパーティレースⅡからステップアップし、今回がスーパー耐久デビュー戦となる小林大作選手。慣れ親しんだロードスターですが、スリックタイヤ、SUGO、フルグリッドでの混走と、ドライバーには厳しい要素が数多くありました。しかし、予想通り小林選手はロードスターで培ったスキルをフルに活かし、着実にラップタイムを重ねていきます。約40分の走行を大きなアクシデントなく走り切った小林選手のドライビングは、デビュー戦としては及第点といえるものでした。

　次にステアリングを握ったのは加藤選手。2戦目ということでマシンにも慣れ、1分35秒台のタイムをマークしながら順位を上げていきます。その安定したドライングの甲斐もあって、スタートから90分経過時点で10位までポジションアップ。そして、近藤選手にステアリングが渡ります。1分35秒台のタイムで徐々に先行車と差を詰めていきます。そして、約60分の走行を終え、結果は8位入賞となりました。
　予選タイムで勝る相手に対して、安定したラップを刻めるセッティング、スキルのあるドライバーによるペースコントロール、迅速なピット作業などが相まって5ポジションアップという見事な結果を得ることができました。

　しかし、まだ上位を狙う余地は十分にあります。今回ドライバーはブレーキのフィール低下に若干の気遣いをしながら走行していました。原因はクルマの速さ、グリップの高さから来るブレーキへの絶対的な熱量の増加と思われます。今後はローターサイズアップとパッド摩材の見直しで、改善を図るアップデートを計画中です。これだけでよりアグレッシブに攻め込むことができ、コンスタントラップの向上とバトル時の強さを手に入れられることと思います。
　ほかにも、現状でマシンは完成ではありません。レースに対応した最低限の仕様といえるもので、SUGOの結果も踏まえて詳しく分析し、さらなる進化を予定しています。
　今回も参戦2戦目とは思えないスムーズな展開で見事2戦連続のポイントを獲得することができました。次戦以降もさらにチーム力を高めて、着実に順位を上げていく堅実な戦いをしていく予定です。

第3戦は7月26-27日富士スピードウェイです。これからも応援をよろしくお願いいたします。

(チームコーディネーター 宮越孝政 /チーム監督 滑川 健)